【読書】世界で一番やさしい 会議の教科書
著書:世界で一番やさしい 会議の教科書:榊巻 亮
はじめに
「30000時間」
あなたが一生涯で会議に費やす時間だ。。
この膨大な時間をどう過ごすか考えることは大事なことである。
初めてのダメ会議
・そもそも何を会議したいか分からない
・偉い人が思い付きで喋るのに部下が振り回される
・みんなムダな時間だと分かっていながら内職してやり過ごす
・資料を読み上げるだけ
・結局何も決まってない気がする
・何か決まったけど、具体的に何をすればいいのかよく分からない
・関係ない話が多くて時間通りに終わらない
確認するファシリテーションを始める
ファシリテート = 促進する・容易にする
つまり、会議におけるファシリテーションとは「何かを決めることを促進する・容易にする技術」のこと
まずはできることから始めよう。
①会議が終わったタイミングで、”決まったこと、やるべきこと”を確認する
やるべきことは”誰が、いつまでに、何をするか”まで明確にする
「聞いていなかったから悪い」で済ますのではなく、そうならないように会議を進める技術をファシリテーションという!
でも「今の会議はこういうことが決まったんですよね?」って
自分がきちんと会議の内容を理解していないと思われるのでは?
しかも確認した内容が間違っていたら嫌だな。。
否!確認したことが間違っていたとしても問題ない!
間違っていたら誰かが訂正してくれるし、同じように勘違いしている人もいるかもしれない。
「私の理解が合っているか確認したいんですけど…」という切り出し方をすればそんなに難しくはない。
②会議が始まるタイミングで、会議の終了条件を確認する
「どうなったら会議終了!と言えるんでしょうか?」と聞けばOK
「終了条件に合致する状態を作り出そう!」と全員が思っていれば、自然とベクトルが揃う!
逆に終了条件が不明瞭だと何をどのくらい議論すればいいのか分からないから、好き勝手話し始めて、議論が発散する。。
③会議が始まるタイミングで、議題ごとの時間配分を確認する
時間内に収まりそうなのか確認する。
途中で残り時間を宣言する。(議論を止める必要はなし。独り言でよい。)
→ 時間内に収める意識を最大化できる!(締切効果)
必ずしも司会者として場を仕切る必要はない。
この方法なら”隠れファシリテーター”として会議をコントロールすることができる!
※新しいことをやる時は、抵抗がつきもの。これは自然の摂理だから仕方がない。これに屈しないで根気強く継続することが大切。
ちなみに、、
●会議で資料の読み上げは禁止
→ 事前に目を通してもらうか、資料に目を通す時間を取った方がいい
●よくある失敗
①フレームワークなど高度なことを始めること
②いきな会議の進行役を買って出ること/進行役を置こうとすること
これをやると仕切り役として変に期待されることになる。
仕切るプロでもないのに過度な期待がかかるのは相当つらい。
会議の一参加者の立場で”隠れファシリテーション”から始めるのがベター。
③会議の目的を偉そうに確認すること
隠れファシリテーションをする時は出しゃばってはダメ。
主催者のプライドを傷つけてしまわないよう、
すみません、理解が追いついてなくて…くらいの雰囲気でちょうどいい。
④参加者の曖昧な発言を要約して言い換えること
よっぽどスキルがないと難しい。
小さな確認からコツコツやっていくべき。
書くファシリテーションを始める
スクライブ=殴り書く
議論が噛み合っていないときはホワイトボードに「書く」を始めよう。
・意見:発言をそのまま書く
・議論:質問や議題を「問」として明記する
・決定事項:決まったことを「結」として明記する
(終了条件、時間配分、結論、やるべきこと)
議論は「問い(論点)」に対する「回答(意見)」が積み重なって成立している。
そして複数の問いを同時に議論することはできない。
つまり、”たった今、何の問いについて話しているのか?”を明確にすることが、議論を噛み合わせるうえで極めて重要!
図や絵があると分かりやすいが、実はその場で明確に図にするのは難易度が高い。
最初は無理せずスクライブ(殴り書き)から始めよう。
「ごめんなさい、書ききれなくて、、」
「すみません、今の意見はどう書けばいいですか?」と切り出せばOK
議論を見える化・整流化しよう!
隠れないファシリテーションを始める
”情報共有”
”タスクの分担”
”意見出し”
が主目的の会議は隠れファシリテーションで十分対応できる。
でも”課題の特定〜解決”を目的とした会議では仕切りの難易度がグンと上がる…
隠れないファシリテーションの始めどきだ!
ポイント1 事前に終了状態とプロセスを設計する
進め方を議論すること自体は悪くないが、場当たり的にその場で進め方を考えるより、誰かが考えてから会議を始めた方がスムーズ。
ポイント2 発散ー収束のプロセスを踏む ※バージェンスモデル
悪かった点を出し切らないうちに施策の議論に入ると、重要じゃない議論に時間を使ってしまったり、論点が行ったり来たりして、とっ散らかった議論になる。
ポイント3 集まって議論すべきこと、そうではないものを切り分ける
”結論を出す””選択肢から1つを選ぶ” → 全員でやった方がいい
”選択肢を挙げる””結論を出すために必要な情報を揃える” → 全員でやる必要はない
ポイント4 課題解決の五階層を意識する
①事象 何が起こっているのか?
②問題 具体的にどう困るのか?
③原因 なぜそれが発生するのか?
④施策 どんな解決策があるのか?
⑤効果 どんな施策が効果が大きいのか?
①→⑤の順で、下から意見を合わせていく
ポイント5 話していない人に振る
黙っている人の5分類
a. 議論についていけない
b. 何かモヤモヤした思いがあるが、まとまっていない
c. 何か言いたいことがあるが遠慮している
d. 他の人の意見と同じなのでわざわざ話さなくてもいい
e. 議論に興味がない
ポイント6 質問、意見、懸念が明らかになるよう言い切らせる
発言の語尾が曖昧で言い切っていないことが多い。日本語はあやふやでも伝わってしまうが、会議では言い切ってもらわないと何が言いたいのか分からない。
●会議の4つのフェーズとファシリテータのスキル
準備→導入→進行→まとめ
ちなみに、、
・「全員ファシリテーター」が理想
・時間が足りなくなった時の対処
a. 時間を延ばす
b. なんとかピッチをあげて時間内に収める
c. 別の機会に再度議論する
d. メールなどで、対面せずに議論する
・参加者に頭を使ってもらうための質問をする
・ファシリテーターは完璧である必要はない
Prepするファシリテーションを始める
Preperation = 準備
”準備が完了した”と言えるのは”4つのP”が揃った状態
Purpose 目的
Process 進め方
People 参加者
Property 装備
会議Prepシートを使おう
①終了条件は何か?
②終了条件を満たすために必要な参加者は誰か?
「いた方がいいか?」を考えると、多くの場合「いないよりいた方がいい」という結論になってしまい、結果的に人を呼びすぎてしまう。
「いないと何が困るか?」を考えるとよい。
③参加者はどんな状態か?
何を知っていて、何を知らないか?
④参加者が抱く疑問・不満は何か?なんと言われそうか?
④まで書けたら一度①を見直すとよい。④を踏まえて①は適切なのか?
⑤議題を設定する
会議の目的別プロセスチャートを参照する
⑥議題の具体的な進め方は?
議論に必要な情報は何か?それを基にどう議論するといいだろうか?
⑦必要なモノを考える
⑧時間配分を決める